念のため起こさないように、そっと部屋から抜け出してコムイさんのいる室長室へと向かった。

ドアを開けると、コーヒーのいい香りの中、コムイさんと、リーバーさんの姿が見えた。

「失礼します。」

「アレンくーーん! 助けてぇぇええーーーーっ リーバーくんがボクを殺そうとするぅうううーーーーーーー!!!」

「室長・・・、今日こそはこの書類の山ぁ、片付けてから寝てくださいよぉ・・・!!」

「リーバーくんの鬼! イケズ!! こんなに多いの今日中に出来るわけないじゃないかーーーッ!」

「室長が溜め込み続けるのが悪いんです・・・・!!」

いつもと変わらない温暖な所だ、室長室は。

リーバーさんとコムイさんのコントは、見るたびに面白い。

「お邪魔でしたか・・?」

「ぜーーんぜん! 御用はなんだい? アレン君。」

「アレンー・・・、なるべく手短に頼むなぁ・・・っ、早く寝たいんだ・・・、」

「わっ分かりました・・。 頑張って下さいね、リーバーさん、」

 

「で、用件ってなんだい?」

「それが・・・・・、僕の部屋に、見た事のない女の子がいるんです。 エクソシストの着る服を着てるから、エクソシストの子なのかもしれないけど・・・。」

「・・・アレン君。 君はそんなに・・・飢えてたのかい?」

バコォオオオッッ

「マジメに聞いてください。 本当にいるんですから。」

「ふぁい、ふひはふぇーん(はい、すみませーん)・・・しかし、エクソシストの女の子ねぇ・・・。 リナリー以外では、見たことないけど・・・。」

 

「コムイさん、いきますよ・・?」

「あ・・ああ。」

ガバッ、と布団をめくると・・・・、さきほどと変わらぬ格好で、その子はまだ眠っていた。

あいも変わらず、すやすやと気持ち良さそうに。

「・・この子は・・・!」

「誰か、わかりますか?」

「いや、知らない。」

バコォオオオオッッ

「いちいち気を向かせるような言い方をしないでください、マジで次は歯ぁ折りますよ。」

「ふぁーい、ふひはふぇ〜えん(はーい、すみませ〜ぇん)・・・・。

 でも、確か神田君に向かわせた地域で、新たな力を持つ子がいるから、そっちへ連れて行く、って連絡は来てたな〜。 もしかしたら、その子かも?」

「神田が? へぇー、珍しいですねぇ。 あのバ神田が・・・。」

「んぅ・・・、んんんんん〜〜〜〜〜〜っ・・」

「!」

「!」

 

<<前へ / 次へ>>

 

inserted by FC2 system