【海で拾った宝】
「テメェら!出上げるぜぃ!!」
「おおぉー!!」
軽いケンカをし終えて、船へ戻る。 彼の名前は長宗我部元親。この船の船長で、団員たちから「アニキ」として慕われている。
今日もケンカ相手からお宝をがっぽりと奪い、出航する。潮風が髪にあたり、気持ちよさ気に髪を浮かせる。
「アニキ、今日もすっげぇお宝が手に入りやしたね!」
「おうよ!相手も不足はなかったぜ。・・・・・お宝の中には、何があった?」
「へぃ、ちょうど今から皆囲んで開けまさぁ、アニキも是非ご覧になってくだせぇ!」
「おう!俺もちょうど気になってたところでぃ!」
足取り揃えて、手に入れたお宝のほうへと向かっていくアニキ。行くとそこには、5〜6箱の大きな宝箱があった。
「アニキっ!ちょうどいい所に来やしたねぇ!今から開けるトコでっせぃ!」
「コーフンしてんなぁ、さっさと開けてみやがれぃ!」
「へぃ!」
1番手前の宝箱を手で引きずり、アニキの前まで持ってきた男は、「いきますよ〜!」と一声あげて、力絞って宝箱を開けた。
「・・・・こ・・、こいつぁ・・・!!」
「どうしたよ?」
「に・・・人間が死んでまさぁ!!!」
「何ぃ??」
ん?と思ったアニキは、彼に近づき箱の中を覗き込んだ。・・・・・・マジリアルに人が入っている。
「なんだって・・・・箱の中に入ってんでぃ・・・?」
「てか、マジで死んでんのかぁ?」
「まだガキじゃねぇか。しかも・・・・・けっこーカワイイ少女じゃぁ・・・。」
何を惚けているんだか、アホ面丸出しにして少女を覗き込む団員たちを、アニキは呆れた目をして見ていた。しかし、この少女は一体、何故この中にいたのだろうか・・・・。
「アニキ、この娘・・・・どうします?」
「・・・死んでぁいねぇようだぜぃ。布敷いて、とりあえず寝かせとけぃ。・・・・話はそれからでも遅くぁねぇ。」
「へぃ!」